Tuesday, September 10, 2019 10:31 AM

かんぽと郵便にきょう検査 金融庁、2カ月超立ち入り

 保険の大規模な不正販売が発覚したかんぽ生命保険と日本郵便に対し、金融庁が11日から保険業法に基づく立ち入り検査を実施することが10日、複数の関係者への取材で分かった。内部文書を提出させるなどして、顧客の意向に沿わずに保険料を二重払いさせるといった不正の背景を調べ、早ければ年内にも厳正な行政処分を出す。検査期間は2カ月以上の長期に及ぶとみられる。

 法令順守などの専門知識を持つ金融庁の検査官ら十数人で構成するチームが11日午前、東京都内の同じビルにあるかんぽ生命、日本郵便のそれぞれの本社に立ち入る。販売体制や法令順守体制の問題点のほか、保険業法違反に当たる不正な契約がどの程度あったかなどを詳しく調べる。経営陣がいつの時点で不正を認識し、どのような対応を取ったかも追及する。

 日本郵政によると、顧客に不利益となった恐れがある契約は過去5年で約18万3000件。新旧の契約を併存させて保険料を二重払いさせるケースが多くあった。日本郵便がアフラック生命保険の委託を受けて販売するがん保険でも、約10万4000件の不利益契約があったことが判明している。(共同)