Friday, September 13, 2019 11:07 AM

諫早訴訟、審理差し戻し 最高裁、開門無効も示唆

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、潮受け堤防の排水門を開けるよう命じた確定判決の無効化を国が求めた訴訟の上告審判決で最高裁第2小法廷は13日、国の訴えを認めた二審福岡高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。法廷闘争はさらに長期化する。一方で菅野博之裁判長は「時の経過による事情の変化」によっては無効化もあり得ると示唆した。

 差し戻し審では、漁獲高の増減といった事情の変化の検討や、和解協議など当事者の歩み寄りが実現するかどうかが焦点となりそうだ。裁判官4人全員一致の結論。

 排水門に関しては複数の訴訟が起こされ、漁場悪化に悩まされていた漁業者が支持する「開門」と、塩害を懸念する営農者が支持する「開門せず」という相反する司法判断が併存し、ねじれた状態が続いている。最高裁の示唆で解消されるかが注目される。(共同)