Friday, October 04, 2019 10:16 AM

香港、覆面禁止法を制定 返還後初の緊急条例発動

 香港政府トップの林鄭月娥行政長官は4日記者会見し、デモ参加者がマスクなどで顔を覆うことを禁じる「覆面禁止法」の制定を宣言した。5日午前0時(日本時間同1時)から施行され、最高刑は禁錮1年。行政長官が緊急時に立法会(議会)の手続きを経ずに必要規則を設けられる「緊急状況規則条例」を、1997年の香港返還後で初めて発動した。

 同条例を使えば、会員制交流サイト(SNS)への発信や市民の移動を制限することも可能となる。デモ隊側は「あしき先例だ」と猛反発しており、抗議活動がさらに激化する懸念がある。

 デモ隊は催涙弾の煙や警察の摘発を避けるためガスマスクなどで顔を覆うケースが多い。林鄭氏は「多くの学生が暴動に参加している」と指摘、法制定は「過激な違法行為を抑止し、警察の法執行に役立つ」と強調した。香港メディアによると、教育局は各学校に健康や宗教上の理由を除き、生徒のマスク着用を原則禁じる通知を出した。中国政府は法制定を支持するコメントを発表した。(共同)