Thursday, October 10, 2019 10:22 AM

トルコがシリア地上作戦 クルド、IS掃討停止

 トルコ国防省は9日、シリアに越境し地上作戦を始めたと発表した。シリア北部などを掌握し、米軍と連携して過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦の主軸を担ってきた少数民族クルド人を攻撃している。ロイター通信によると、クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)は攻撃を受け、IS掃討作戦を停止、ISが勢力を盛り返す恐れも指摘されている。

 欧州や中東諸国は作戦を非難。シリア北部からの米軍撤収に踏み切りトルコの作戦を招いたと批判されるトランプ大統領も、作戦を支持しないと表明した。国際社会の懸念の高まりを背景に、国連安全保障理事会は非公開会合を10日に開く。

 地元メディアによると、トルコ軍の地上部隊は国境を越え、シリア北部テルアビヤドや北東部ラス・アルアインなど複数の町に侵攻。トルコ軍は、181の施設に攻撃を与えたと発表した。空爆も実施した。シリア人権監視団(英国)は、トルコの攻撃により市民8人とSDFの戦闘員7人が死亡したと発表した。(共同)