Tuesday, October 15, 2019 10:37 AM

シリア政権軍、北部に進攻 米撤収でクルド勢力と共闘

 シリアのアサド政権軍は14日、トルコが軍事侵攻した北部の国境近くに展開し、米軍が撤収した要衝マンビジュに入った。米軍の後ろ盾を失ったクルド人勢力がトルコへの対抗策として、対立してきた政権軍との共闘に転じた。トランプ大統領はシリア北部に駐留する米兵約1000人の撤収を指示する一方、対トルコ制裁を発動した。

 トルコの侵攻から16日で1週間。クルド人を敵視するトルコは強硬姿勢を崩さず、戦闘による人道危機が拡大している。国連によると、少なくとも16万人が避難民となった。シリア人権監視団(英国)によると、シリア側では70人近くが死亡した。

 過激派組織「イスラム国」(IS)掃討で米軍に協力してきたクルド人勢力は、米軍の撤収を「裏切り」と非難。自治権を巡り緊張関係にあったアサド政権と、後ろ盾のロシアに接近しており、シリア情勢が大きく揺らいだ。政権軍とトルコ側の衝突も懸念される。(共同)