Wednesday, October 16, 2019 10:20 AM

元有名選手守るため改ざん ロシア、ドーピング問題で

 ロシアの国ぐるみのドーピング問題で、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)のガヌス代表は同国のデータ改ざん疑惑が出ている問題の背景について「過去のスター選手で現在はロシア政府やスポーツ行政で働く人々の名声や地位を守るため」との見解を示した。コロラド州の会合での発言をニューヨーク・タイムズ紙が16日までに報じた。

 ガヌス氏はこれまで数千に及ぶデータ改ざんがあったとの見方を示している。こうした発言を巡り「身の危険がある」と前置きした上で、データ改ざんを行えるのは「最も力がある機関とのアクセスがある者だけだ」と治安当局の介在を示唆。ロシアの不正を認める発言を続けているのは「現在と次世代の選手たちが他人の行動で損害を被らないようにするためだ」と語った。

 世界反ドーピング機関(WADA)は9月にモスクワの検査所から回収した保管データに不審点があったと発表。提出前にデータが改ざんされた疑惑が浮上しており、WADAはRUSADAの適格性を審議する手続きを進めている。(共同)