Friday, October 25, 2019 10:50 AM

豚コレラワクチン接種開始 感染拡大止まらず13年ぶり

 豚コレラ感染予防のための豚へのワクチン接種が25日、始まった。昨年9月に国内で26年ぶりに発生が確認されて以降、農林水産省はウイルスを媒介する野生イノシシ対策を軸にまん延防止を図ってきたが、感染拡大が止まらず方針を転換。2006年4月に中止したワクチン使用を約13年ぶりに再開し、この日は富山、石川、福井、岐阜、愛知、三重の6県で午前に作業を開始した。

 ワクチン接種は群馬や埼玉、長野、静岡、滋賀を含めた11県が「推奨地域」とされており、これらの県も26日以降、順次実施する。農水省は感染拡大に歯止めをかけたい考えだが、接種しても感染を完全に防げるわけでなく、発生地域の隣接県では実施しないなど再び対応が後手に回る懸念もあり、野生イノシシ対策の強化も含めた包括的な対策が必要となる。

 各県の計画によると、初回接種の対象は、愛知が約24万頭、三重は約10万3000頭、岐阜約5万2000頭、富山約3万頭、石川約2万1000頭、福井約1700頭。ただ、予備のワクチン確保のために多めに見積もるなどし、実際の接種頭数は計画より少ない県もある。(共同)