Tuesday, November 05, 2019 9:14 AM

ゼロックスの買収断念 富士フイルム、合弁の全株取得へ

 富士フイルムホールディングスは5日、事務機器大手のゼロックスとの合弁会社である富士ゼロックスの株式25%をゼロックスから買い取り、富士ゼロックスを100%子会社にすると発表した。昨年打ち出したゼロックスを買収する計画は断念し、自力で事務機器事業を強化する。富士フイルムは今回の取引成立を条件に、契約を破棄したゼロックスに対して起こした損害賠償訴訟を取り下げる。日米企業が対立した大型事業再編は、協力は継続しながらも双方の独自性を高めることで決着した。

 ゼロックスが保有する富士ゼロックスの株式などを総額23億ドル(約2530億円)で買い取る。5日に契約を締結しており、11月上旬の取引完了を予定している。

 富士フイルムの古森重隆会長・最高経営責任者(CEO)は5日に東京都内で記者会見し、ゼロックスとの今後の関係について「統合は考えない。独自の道でやる」と買収断念を明言した。ゼロックス買収は「マスト(必須)ではなかった」とした上で、今回の案が「ベター(優良)だ」と説明した。(共同)