Tuesday, November 05, 2019 9:16 AM

イラン、ウラン濃縮加速へ 禁止施設できょう再開

 トランプ政権の制裁強化に対抗して核合意の不履行を60日ごとに段階的に強めてきたイランのロウハニ大統領は5日、核合意でウラン濃縮が禁じられている中部フォルドゥの地下施設で6日から濃縮を再開すると発表した。合意不履行は今回で第4段階に入る。核開発の加速を意味し、米欧諸国などと結んだ核合意の維持は崩壊瀬戸際の深刻な局面に入ってきた。

 トランプ政権の反発が予想される。核合意の全面履行を求める欧州諸国は打つ手が見当たらない状況だが、イランは国際原子力機関(IAEA)による核施設査察への協力は継続し、濃縮度の極端な引き上げは控える方針。核合意崩壊をぎりぎりの線で回避し、制裁で疲弊するイラン支援策を導きたい考えだ。

 イランは2015年の核合意の以前、秘密裏に施設を建造した中部ナタンズとフォルドゥで、核兵器級に近づく20%の濃縮ウランを製造していたとされる。核合意はナタンズの低濃縮を認めたが、フォルドゥでは15年間濃縮しないと明記した。(共同)