Wednesday, November 06, 2019 10:00 AM

カンボジア大使異例の乱入 旧野党幹部会見を妨害

 強権を振るうカンボジアのフン・セン首相が率いる現政権に解党に追い込まれた旧最大野党元幹部が6日、インドネシアの首都ジャカルタで開いた記者会見に、カンボジアのホル・ナン・ボラ駐インドネシア大使が突然乱入、会見中止を訴えた。大使による会見の妨害は異例で、カンボジア政府の強権ぶりが改めて露呈された。

 会見を開いたのは、2017年に解党されたカンボジア救国党の元副党首で、現在は国外で活動する米国在住のム・ソクア氏。民主化実現のため、同党の元党首、サム・レンシー氏らとカンボジアの独立記念日に当たる今月9日に、タイから陸路での帰国を目指すとして、国際社会の支援を訴えた。

 会見の冒頭で大使はム・ソクア氏について、カンボジアで逮捕状が出ていることを理由に「犯罪者だ」とし、インドネシア警察の許可を得ておらず「会見は違法だ」と主張。質疑応答では記者に交じり手を上げ、ム・ソクア氏の前に仁王立ち。帰国は「政府を転覆させる試みだ」と非難した。(共同)