Friday, November 08, 2019 9:24 AM

イラン強硬派、押し切る 穏健派、指導者説得できず

 【テヘラン共同】イラン指導部が核合意の逸脱を進め、中部フォルドゥでのウラン濃縮再開を決定した議論の内幕が8日、関係筋の証言で判明した。ロウハニ大統領ら穏健派は米欧を刺激する策の回避を訴えたが、保守強硬派は譲らず紛糾。最終的に最高指導者ハメネイ師が、強硬派の主張を受け入れ濃縮再開を決断した。ベールに覆われたイラン核政策の舞台裏が明らかになった。

 関係筋によるとテヘランの大統領府で3日、外交、国防を担う最高幹部ら少人数の非公開会議が開かれた。核合意を離脱し制裁を強めた米国への対抗措置として、イランは5月から段階的に合意逸脱を拡大。第4段階の措置を打ち出す期限の7日を前に、原子力庁が複数の選択肢を示した。

 核合意はロウハニ政権が数年間の多国間交渉で勝ち取った外交成果。会議を主催したロウハニ師は、合意の存続を危うくし軍事的緊張を招きかねない強硬策は避けるべきだとの立場だった。だが保守強硬派の革命防衛隊幹部らは、山岳地の地下に造られたフォルドゥでの濃縮再開を主張した。