Wednesday, November 13, 2019 9:24 AM

厚生年金51人以上の企業に 働く減額基準月収51万円超

 厚生年金の制度改正案の骨格が13日、出そろった。厚生労働省はパートら非正規として働く人の加入を促すため、現在の「従業員501人以上」との企業要件を「51人以上」に引き下げる方向だ。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会には、働く高齢者の厚生年金を減額する基準を「月収51万円超」に引き上げる案を示し、これはおおむね了承された。

 厚生年金の加入要件を緩和して適用対象を広げる背景には、国民年金だけの人が将来、低年金に陥らないよう年金額を手厚くする狙いがある。しかし厚生年金の保険料は労使が折半するため、負担が増える中小企業の反発は必至だ。政府は、中小支援策とセットで与党や経済界などと調整し、来年の通常国会に関連法案を提出する。

 パートやアルバイトをして働く人は現在、従業員501人以上の企業で週20時間以上働くなどの要件を満たせば厚生年金の加入対象となる。企業要件を「51人以上」とした場合、新たに65万人が加入できる一方、企業の保険料負担は1590億円増える。(共同)