Friday, November 15, 2019 9:22 AM

上場企業、2年連続減益へ 製造業14%低下、苦境鮮明

 上場企業の2020年3月期の純利益合計が前期比4.9%減の27兆7656億円と、2年連続で減益になる見通しであることが15日、分かった。米中貿易摩擦の長期化に伴う世界経済減速が響いた製造業は14.7%低下し、苦境が鮮明になった。日本国内の個人消費も先行き不透明感が強まっており、安倍政権の経済政策「アベノミクス」は試練を迎えそうだ。

 SMBC日興証券が、東京証券取引所第1部上場の3月期決算企業のうち、14日までに19年9月中間決算を発表した1327社(全体の99.9%)を集計した。金融と、原発事故に関わる特殊要因の影響が大きい電気・ガスは除外した。

 19年3月期も下半期から米中摩擦が激化し、日本企業の収益を押し下げた。通期の純利益合計が2年連続で前年実績を下回れば、08年のリーマン・ショック以降で初。20年3月期の純損益予想を下方修正した企業は全体の約4分の1に当たる327社に上り、製造業が大半を占めた。(共同)