Monday, November 25, 2019 9:19 AM

教皇、大震災被災者に祈り 復興「必ず果たせる」

 来日中のローマ教皇(法王)フランシスコは25日午前、東京都内で東日本大震災被災者との集いを開き「多くの人々が被った悲しみと痛み」への祈りを呼び掛けた。大震災を地震、津波、東京電力福島第1原発事故の「三つの大規模災害」と呼び「放射線の長期的な影響など継続的な問題」があると指摘しながら、復興は力を結集すれば「必ず果たせる」と訴えた。

 震災によって大勢の死者・行方不明者が出て「日本全土と全国民に影響を及ぼした」と指摘。今も仮設住宅で暮らし、自宅に帰れない人々がいると強調した。

 原発事故で福島県いわき市から東京に自主避難した高校2年の鴨下全生さん(17)は教皇に先立ち自らの体験を語り「僕たちの苦しみはとても伝えきれない。だから残酷な現実でも目を背けない勇気が与えられるように共に祈ってください」と話した。教皇は演壇で目をつむり、約20秒間の祈りをささげた。会場には被災者や支援者ら計約300人が集まった。(共同)