Tuesday, November 26, 2019 9:27 AM

中国要員がスパイ活動か 台湾、総統選で争点化も

 【台北共同】台湾の捜査当局は26日、香港や台湾で中国のスパイ活動をしたとしてオーストラリアに亡命を求めた男性の証言を受け、香港の投資会社幹部の夫妻を国家安全法違反の疑いで「出国禁止」とした。台湾各紙が報じた。台湾では中国による宣伝工作などの「浸透」が政治問題となっており、来年1月の総統選に向けて争点化する可能性が出てきた。

 男性の証言によると、問題の会社は中国軍の傘下にあり、香港で金融市場に影響を与えようとしたほか、軍事情報も収集していた。また台湾の一部メディアに資金を投じ、中国当局のコントロール下に置くスパイ活動を行っていたという。夫妻は24日に台湾北部の桃園国際空港で拘束された。

 男性は親中路線の最大野党、国民党候補の韓国瑜・高雄市長に中国共産党が昨年、多額の資金を提供したとも証言した。韓氏は「共産党から一銭でも受け取っていたら選挙戦から直ちに退く」と述べて全面否定。国民党幹部は、台湾独立志向の与党、民主進歩党(民進党)には「この案件で国民党を中傷する意図がある」と警戒感を強めている。