Tuesday, November 26, 2019 9:28 AM

首相、ウラン濃縮自制要求 イラン折れず平行線

 安倍晋三首相が10月下旬に来日したイランのジョネイディ副大統領と会談した際に、同国がイラン核合意を逸脱する形で進めるウラン濃縮再開を自制するよう求めていたことが26日、分かった。ジョネイディ氏は米国による制裁強化への対抗措置だとの立場を強調し、平行線に終わった。複数の日イラン外交筋が明らかにした。

 イランは今月7日に中部フォルドゥでウラン濃縮を再開した。首相はイランとの伝統的な友好関係を生かして緊張緩和に役割を果たす姿勢を示しているが、米イラン対立の激化を前に、働き掛けが不発に終わった形だ。

 外交筋によると、10月24日に東京都内の迎賓館で行われた会談で、首相は「中東の安定に向けて日本が外交努力を尽くす」と強調。核合意を順守するよう要請し、さらなるウラン濃縮は控えるよう訴えた。9月7日にイランが核関連研究開発の制限全廃を発表し、さらなるウラン濃縮に踏み切る可能性が懸念されていた。(共同)