Tuesday, November 26, 2019 9:28 AM

氷河期世代を国家公務員に 首相指示、本年度採用へ

 政府は26日、バブル崩壊後に就職難だった30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代の就労支援に向け、国家公務員の中途採用枠で重点的に採用することを決めた。当事者団体や有識者らによる官民連携会議の初会合を首相官邸で開催。安倍晋三首相は「本年度から具体的に取り組む」として関係閣僚に採用や支援に関する行動計画の取りまとめを指示した。近く策定する経済対策に支援策を盛り込み、就労を促す取り組みのための基金も創設する方向で調整する。

 政府は非正規労働者や引きこもりの状況にある約100万人を対象に3年間で正規雇用を30万人増やす目標を掲げる。背景には、不安定な就業環境で高齢化すれば将来の社会保障費の増大を引き起こすとの懸念がある。目標達成には国家公務員での重点採用も不可欠と判断。公務員での採用を積極的に打ち出すことで地方自治体や民間企業への相乗効果や波及効果を見込む。

 年末の予算編成過程を踏まえ、政府は年内に行動計画を作成する。準備が整った省庁から順次採用を始める方針だ。(共同)