Monday, December 02, 2019 9:24 AM

中露の巨大ガス事業、始動 経済、安保連携で蜜月

 【スバボードヌイ(ロシア極東アムール州)共同】ロシアが中国に天然ガスを輸送する全長約3000キロのパイプライン「シベリアの力」が完成し、2日に供給を開始した。米国への対抗姿勢で一致する中ロは経済や安全保障で連携を深めており、両国の蜜月ぶりを象徴する事業となりそうだ。

 経済をエネルギー産業に依存するロシアは、アジア太平洋諸国への輸出拡大や欧州でのシェア維持のため、ガス供給ルートの「東西」多角化を進めている。シベリアの力は30年にわたり年380億立方メートルのガスを供給する巨大事業だが、ロシアでは中国への輸出拡大でガスが買いたたかれる恐れが懸念されている。

 2日、スバボードヌイ近郊で式典を実施。ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席がビデオ中継で参加した。プーチン氏が「エネルギー分野における中露の戦略的協力を新たな段階に導く」とあいさつし、稼働を指示した。習氏は「相互利益の模範だ。中露協力の豊かな成果を示した」と強調した。