Tuesday, December 10, 2019 9:31 AM

赤字国債2兆円超増発へ 19年度、税収前年度割れ

 政府が2019年度補正予算で2兆円を超える赤字国債を追加発行することが10日、分かった。企業業績が伸び悩み、当初予算で見込んだ税収が大きく落ち込むことが要因だ。税収は前年度実績の60兆3563億円を割り込む見通し。年度途中に税収予想が下振れて赤字国債を増発するのは3年ぶりで、借金に頼った厳しい財政運営が鮮明になった。

 政府は19年度の税収について、10月の消費税率の引き上げによる増収を前提に、62兆4950億円を当初見込んでいた。ところが、米中貿易摩擦などを背景とする世界経済の減速により法人税収が落ち込み、税収全体が60兆円強に下振れる。この穴埋めに赤字国債を発行する。

 税収の落ち込みは、ソフトバンクグループに対する4000億円の還付金が発生したことも影響する。子会社からの配当を非課税とする税法上のルールに基づいた節税策で、18年度にソフトバンクがいったん納めた巨額の税金を還付するため、19年度税収の下押し圧力になる。(共同)