Wednesday, December 18, 2019 9:12 AM

ロシア、日本漁船を国後に連行 歯舞周辺で安全操業の5隻

 【ウラジオストク共同】北方領土・歯舞群島付近の海域で操業していた北海道根室市の漁協所属の漁船5隻が17日、ロシア国境警備局の臨検を受け国後島の古釜布(ロシア名ユジノクリーリスク)に連行された。水産庁によると、ロシア当局に日本漁船5隻が同時に連行されるのは異例。

 極東サハリン州の国境警備局は18日、タコの漁獲量が操業日誌の記載よりも6トン以上多く、違反を確認したと明らかにした。罰金の行政処分が科せられる見通し。5隻は日ロの協定に基づき北方四島周辺海域で行う「安全操業」の枠組みでタコ漁をしていた。

 菅義偉官房長官は18日の記者会見で、4島は日本固有の領土とする日本政府の立場を踏まえ「漁船連行は受け入れられない」と強調。人道的観点から乗組員と船の早期帰港をロシア政府に申し入れていると明らかにした。茂木敏充外相はロシアのラブロフ外相と会談のため、日本時間18日にモスクワに到着。情報収集を進めるとともに早期解放を求める方針だ。