Thursday, December 19, 2019 9:23 AM

共同活動加速化を確認 日露外相、来年1月に部会

 【モスクワ共同】茂木敏充外相は19日(日本時間同)、北方領土問題を含む日露平和条約締結交渉を巡り、ロシアのラブロフ外相とモスクワで会談した。北方領土での共同経済活動の加速化へ向け、局長級作業部会を来年1月に開催することで一致。茂木氏は北方領土周辺海域でロシア当局が連行した日本漁船5隻の早期帰港を申し入れた。ラブロフ氏は、漁業者に日露間協定を順守させるよう要請した。領土問題で歩み寄りはなかった。

 茂木氏が平和条約交渉の責任者として本格的な交渉に臨むのは今回が初めて。日本側は共同経済活動の推進を領土交渉の進展につなげる狙いがある。局長級作業部会は、法的側面など従来の3作業部会を集約したものとなる。

 ラブロフ氏は会談後の共同記者発表で、平和条約締結には日露関係を新たな段階に引き上げ、多方面で発展させることが必要だと指摘し、日本側をけん制した。茂木氏は「(締結交渉を巡り)議論の進め方についてやりとりができた。協議項目を整理し、進展につなげていきたい」と述べた。両氏は来年早期の外相会談を調整するとした。