Thursday, December 19, 2019 9:24 AM

75歳以上医療に2割負担 一定所得を対象、22年度

 政府は19日、全世代型社会保障検討会議(議長・安倍晋三首相)を開き、医療や年金、働き方などの制度改革に向けた中間報告をまとめた。医療分野では75歳以上の後期高齢者が窓口で支払う医療費負担について、2022年度までに一定の所得のある人を対象に2割に引き上げると明記した。高齢者に就業を促すなど社会保障制度の担い手を増やすための環境整備も加速させる。

 首相は会議で「団塊の世代が22年には75歳となり、現役世代の負担が大きく上昇することが想定される。現役世代の負担を抑え、全ての世代が安心できる制度を構築する」と表明。中間報告は、年齢ではなく、経済力に応じた負担にする必要性を強調した。政府は年金、働き方、介護は来年の通常国会に関連法案を提出し成立を図る。医療は来年6月ごろにまとめる最終報告に向けて制度の詳細を詰める方針だ。

 75歳以上の医療費負担は現在原則1割で、現役並みの所得(年収383万円以上)がある人は3割。2割負担となる所得基準は年明け以降に議論するが、対象範囲はこの世代全体の半分未満とする方向で調整する。(共同)