Friday, December 20, 2019 9:24 AM

首相、核合意の履行要求 イラン、海自派遣に理解

 安倍晋三首相は20日、来日したイランのロウハニ大統領と官邸で会談した。首相は中東の緊張緩和に外交努力を尽くす決意を示した上で「イランが核合意を完全に履行し、地域の平和と安定に建設的な役割を果たすことを強く期待する」と表明。ロウハニ師はトランプ政権の核合意離脱を非難しつつ、海上自衛隊の中東派遣方針に理解を示した。イラン大統領の来日は2000年のハタミ大統領以来19年ぶり。

 首相には、対立する米国とイランの橋渡し役を担う思惑がある。制裁を強める米政権と、核合意からの逸脱行為で対抗するイランの溝は深く、仲介外交の難航は必至だ。

 会談で首相は「中東地域の緊張の高まりを強く懸念している。日本として緊張緩和と安定化にできる限りの役割を果たしていく」と述べた。イランが国際原子力機関(IAEA)と連携する重要性も指摘した。ロウハニ師は核合意に関し「米国の一方的で非合理的な離脱を強く非難する。日本をはじめ各国が核合意維持に向け努力することを願う」と語った。(共同)