Monday, January 06, 2020 9:16 AM

無制限でウラン濃縮へ イラン、兵器級近づく恐れ

 【テヘラン共同=小玉原一郎】イラン政府は5日、2015年に欧米など6カ国と結んだ核合意逸脱の第5弾の措置として、無制限にウラン濃縮を進めるとの声明を発表した。濃縮度を兵器級に近づく20%以上に高める恐れが出てきた。声明は段階的な逸脱は今回が最後としており、政府筋は「次は合意離脱の決定を下す可能性がある」と合意破棄を警告した。

 米軍によるイラン革命防衛隊の「コッズ部隊」のソレイマニ司令官殺害を受け、指導部は強硬姿勢を加速。両国の対立激化が武力衝突を招くと懸念される中、緊張が一層高まった。ただ、合意破棄という究極のカードは温存し、外交で危機打開を探る道は辛うじて残された。

 トランプ大統領は5日、大統領専用機で記者団に、イランが攻撃してきた場合「大規模な報復が待っている」とけん制した。