Wednesday, January 08, 2020 9:47 AM

挑発自制、核に一層執着か 正恩氏誕生日、動きなし

 【北京共同】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は8日、誕生日を迎えた。大きな祝賀行事はなかったもようで、制裁長期化に備えて自立経済の建設に力を入れる構えだ。米イラン衝突の行方を注視し、当面は重大な軍事挑発は控えるとの観測もあるが、核への執着は一層強めそうだ。

 8日付の党機関紙、労働新聞は社説で米国など敵対勢力との対決は「制裁と自力更生の対決に圧縮されている」と強調した。金氏は昨年末の党中央委員会総会で「新たな戦略兵器」の登場を予告。米軍は警戒を続けているが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験などの差し迫った兆候は確認されていない。

 外交筋の間では、イランの有力司令官を空爆で殺害したトランプ大統領の予想を超える強硬対応をみて、北朝鮮が軍事挑発をためらうとの見方は多い。ただ、体制維持の切り札として核戦力の増強を進めながら、中東情勢が11月の米大統領選に与える影響を見極めようとする公算が大きい。