Friday, January 10, 2020 8:51 AM

「難民法相」に大量脅迫 オーストリア、厳重警護

 【ウィーン共同】オーストリアで7日に発足したクルツ連立内閣のアルマ・ザディッチ法相(35)に対する大量の脅迫的書き込みで、会員制交流サイト(SNS)が「炎上」した。イスラム教徒の難民家族出身で所属はリベラルな緑の党。辞任要求のほか殺害予告もあり、地元メディアは政府が厳重な警護態勢を敷いたと報じている。

 ザディッチ氏は旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナ北部ツズラ生まれ。内戦のさなか、10歳だった1994年にオーストリアに難民として逃れてきた。ウィーン大学で法学を学び米国に留学、国連機関での経験もある女性法律家だ。

 報道によるとザディッチ氏自身はイスラム教徒ではない。だが、4日の党大会でトルコ系の党員が「イスラム教徒初の閣僚になる」と発言したこともあり、排外的な右派、自由党が反発を強めたほか、脅迫の書き込みも激増したという。