Monday, January 13, 2020 9:26 AM

「核抜き」議論、記録現存 沖縄返還、研究会議事録

 沖縄返還交渉を巡り、米軍基地の取り扱いを検討するため1968〜69年に佐藤栄作元首相の諮問機関の一環として設置された「沖縄基地問題研究会(基地研)」の議事要録が、国立国会図書館に現存していることが13日、分かった。基地研での議論は「核抜き・本土並み」を掲げた佐藤元首相方針の下地となったとされ、専門家は「議論の過程がよく分かり貴重だ」としている。

 非公開の会合で、これまで最終的な報告書しか公表されていなかった。議事要録からは、返還後も核兵器の配備が必要との意見が、軍事技術の発展で撤去可能とする見解や反核世論に押され、次第に「核抜き」に収束していく過程が分かる。歴代首相の相談役で、会の事務局長を務めた末次一郎氏の遺族が昨年5月に寄贈した。

 佐藤元首相は67年11月、ジョンソン元米大統領と「両三年内」に返還時期のめどを付けると合意。基地の在り方は白紙で、沖縄出身の大浜信泉元早大総長が佐藤元首相の賛同を得て、軍事評論家や国際政治学者で構成する基地研を発足させた。