Thursday, January 23, 2020 9:23 AM

日産、新しい遮音材「音響メタマテリアル」を発表

 日産自動車はラスベガスの家電IT見本市「CES 2020」で、車の静粛性向上と軽量化を可能にする新しい遮音材「音響メタマテリアル」を発表した。

 オートモーティブ・ニュースによると、同技術は、格子構造とプラスチックフィルムを用いることで、音が伝わる際の空気の振動状態を制御し、音の透過を抑制して路面からのノイズやエンジン音など、車内に入ってくる自動車特有の騒音を広い周波数帯(500〜1200ヘルツ)で効果的に遮ることができる。

 日産は、現在使われている消音材はゴム板など重い材料がほとんどだが、同社の新素材は4分の1の重量で同等の遮音効果を実現すると説明している。

 新しい遮音素材には価格競争力があり、場合によっては従来の遮音材より安くなる。この結果、コストや重量への影響を理由に遮音材の使用が制限されていた車種にも使えるようになる。

 日産は2008年ごろ、当時は電磁波領域で高感度アンテナなどに活用されていたメタマテリアルの技術に注目し、音響波への応用を目指して研究開発を続けてきた。