Tuesday, February 04, 2020 9:21 AM

さらば、昭和基地! ヘリ最終便が「しらせ」に

 【昭和基地=南極観測隊同行記者】昭和基地を一足先に離れて復路に就いた南極観測船「しらせ」に、帰国の観測隊員を輸送する最終ヘリコプターが4日、着艦した。出発前の基地では、これから約1年を基地で過ごす第61次南極観測隊の越冬隊員約30人が、帰る隊員と握手したり抱き合ったりして別れを惜しんだ。

 しらせに戻ったのは約1カ月間の活動を終えた第61次の夏隊員と、約1年滞在した第60次の越冬隊員。隊員たちは基地のヘリポートに集まり「ありがとう」「体に気をつけて」と声を掛け合った。寝食を共にした仲間との別れに涙する姿もあった。最終ヘリを見送った第61次越冬隊員は「忘れ物ない?」と書いた横断幕を掲げ、手を振り続けた。

 第60次越冬隊で気象担当を務めた井上創介さん(36)は「過ぎてみればあっという間。しんどいけど充実した1年だった」と話した。基地に残る第61次越冬隊で調理を担当する依田隆宏さん(34)は「不安と楽しみが半々。今までやってきた技を全部出し切りたい」と意気込んだ。(共同)