Monday, February 10, 2020 9:19 AM

肺炎死者SARS超え 中国908人、制圧難航

 【北京、上海共同】中国政府は10日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスによる中国本土の死者が908人になったと発表した。2002〜03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体の死者数774人を超えた。感染者も4万171人で、抑え込みは難航。春節(旧正月)休暇から続いた休業期間が明けたものの、在宅勤務や休業が続き、経済活動の本格化には時間がかかりそうだ。

 国営メディアによると、習近平国家主席は10日、北京の医療施設などを視察し、状況は「依然として非常に厳しい」との認識を示した。「経済への影響を極力小さくしなければならない」と述べ「大規模なリストラを防ぐ必要がある」と強調した。

 政府は8日付で「国家経済と国民生活に関わる分野で生産再開を促し、重要プロジェクトをなるべく早く建設再開させる」との通知を出した。今年1〜3月期の経済成長率が4%台に落ち込むとの見方もあり、危機感を持っているとみられる。