Thursday, February 13, 2020 9:37 AM

日産、11年ぶり赤字転落 10〜12月、通期は79%減益

 日産自動車が13日発表した2019年10〜12月期連結決算の純損益は260億円の赤字(前年同期は704億円の黒字)だった。同期間としてはリーマン・ショックのあった08年10〜12月期以来、11年ぶりの赤字。主力の米国や欧州、日本で販売低迷が続いた。通年決算となる20年3月期は黒字を見込むが、黒字額は前期比79.6%減の650億円に下方修正した。下方修正は昨年11月に続き2度目。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は横浜市で開いた決算会見で追加リストラの検討を表明した。

 拡大路線を主導した前会長カルロス・ゴーン被告の退場後、経営立て直しの難航が鮮明になった。内田氏は「足元の業績悪化は想定を超えている」と指摘した。成長を見込んだ中国市場も新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される。下方修正に新型肺炎の影響は織り込んでいない。部品調達が滞り、広州などにある工場の再稼働を17日以降、襄陽などを20日以降にそれぞれ再延期する。子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)の工場は24日の稼働を止める。

 20年3月期の世界販売台数の見通しは524万台から505万台に引き下げた。値引きの原資となる「販売奨励金」削減などで米国販売が一段と減少する。内田氏は「販売台数がここまで落ちているので、一歩踏み込んだことを実施する必要性が出ている」と構造改革を急ぐ考えを示した。5月の中期経営計画見直しに合わせ合理化策を発表する。(共同)