Thursday, February 27, 2020 9:04 AM

国宝・重文、耐震済み45% 立ち入り可能な建造物

 観光や参拝などの目的で一般の人が立ち入れる国宝・重要文化財の建造物のうち、耐震補強などの対策が完了したのは昨年11月末時点の文化庁調査で45%だったことが27日までに分かった。文化財建造物は一般の建物と違い、建築基準法の耐震基準を満たす義務はないが、同庁は大規模地震に備え耐震診断や補強を進めるよう所有者らに要請している。

 文化庁によると、全国の国宝・重文のうち、建物内に立ち入れるのは1872棟。同庁の指針では、これらの建物に震度6強程度の地震でも倒壊しない安全性を求めており、対策が完了したのは844棟だった。

 対策が完了していない建物のうち大半は、避難経路の策定など災害時の対処方針を定め、観光客らの安全確保を図ろうとしている。ただ同庁は、被害防止に万全を期す観点から「老朽化に伴う大規模修理に合わせて耐震補強を行うなど、計画的な対策を進めてほしい」と呼び掛けている。(共同)