Thursday, February 27, 2020 9:07 AM

遠のく北朝鮮非核化 新型肺炎、波乱要因に

 【北京、ワシントン】トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がハノイで非核化を巡り再会談して27日で1年が経過した。会談決裂後、米朝交渉は膠着。新型コロナウイルス拡大の余波により、北朝鮮が反発する春の米韓合同軍事演習が事実上中止されたものの、交渉再開のめどは立たない。北朝鮮非核化は遠のくばかりだ。

 金氏は昨年末の党中央委員会総会で、制裁解除などに応じない米側の態度を非難。自国だけが「一方的に公約に縛られる根拠はなくなった」と述べ、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験の中止措置撤回を示唆。「新たな戦略兵器」の登場も予告した。

 しかしその後、具体的な動きはない。11月の米大統領選をにらんだ計算に加え、新型コロナウイルス対応に追われていることが背景にあるとみられる。医療体制が脆弱な北朝鮮は国境を封鎖、危機感の強さをうかがわせる。