Friday, February 28, 2020 9:59 AM

米、「市中感染」懸念拡大 検査に条件、対応遅れ

 【ワシントン共同】米国で新型コロナウイルスの感染経路が不明な「市中感染」の懸念が広がっている。トランプ大統領は27日までの記者会見で「国民のリスクは低い」と強調したが、初の市中感染の可能性を示唆する事例がカリフォルニア州で確認された。検査を受けるのに厳しい条件があり、対応が遅れ、米メディアは政府発表が実態を反映していない恐れも指摘した。

 米国では疾病対策センター(CDC)がウイルス検査キットを開発し、今月上旬に配布を開始。しかし誤判定の恐れが発覚し試薬を作り直しており、全米での展開が遅れている。検査対象も症状に加え中国渡航歴があるなど条件が厳しく、韓国が1日1万件を超える検査をこなす中、アザー厚生長官によると、CDCはこれまで「約3600件」にとどまる。

 ワシントン・ポスト電子版は「感染の連鎖を検知できていなかった可能性があり、解明する必要がある」とする専門家の意見を伝えた。同紙はインフルエンザ陰性で症状から新型肺炎が疑われる人が、中国渡航歴がなく対象外として検査を受けられなかったことも指摘している。