Monday, March 02, 2020 9:25 AM
日銀、市場安定へ緊急談話 経済に急下降の恐れ
日銀の黒田東彦総裁は2日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)拡大を受けて混乱する金融市場の安定化に向け、「潤沢な資金供給と市場の安定確保に努めていく」とする異例の緊急談話を発表した。黒田氏の緊急談話は、麻生太郎財務相と共同で出した2016年6月以来。2日の東京株式市場の日経平均株価は売り注文が先行したが、談話によって上昇に転じた。
ただ新型肺炎拡大の直撃を受け、日本経済は急下降する恐れが出ている。大手百貨店4社が2日発表した2月の既存店売上高(速報)は全社とも振るわず、2月の国内新車販売台数は前年同月比10.3%減と落ち込んだ。1〜3月期の経済成長率は2四半期連続のマイナスとなる公算が大きく、経済協力開発機構(OECD)は日本の20年の成長率が0.2%と、ほぼゼロに沈むと予想した。日銀には景気を支える追加金融緩和の圧力がかかる。
日本旅館協会(東京)によると、3〜5月の予約人数はキャンセルが相次ぎ、前年同期比45.2%減の計155万3502人となっている。OECDは、日本の20年の成長率見通しを19年11月時点の0.6%から0.4ポイント引き下げた。ほぼゼロ成長になれば、東日本大震災で0.1%減のマイナス成長となった11年以来の厳しい状況となる。19年の成長率はプラス0.7%だった。(共同)
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