Wednesday, March 04, 2020 9:31 AM

米、0.5%緊急利下げ 新型肺炎対応で08年以来

 【ワシントン共同】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は3日、臨時の連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、緊急利下げを決めた。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大による経済への悪影響を防ぐのが狙い。主要政策金利を0.5%引き下げ、年1.0〜1.25%とする。緊急利下げは世界的な金融危機リーマン・ショックが起きた2008年以来。

 金融市場の混乱を抑えるため、17〜18日の定例会合を待たずに大幅な金融緩和に踏み切る異例の緊急措置を講じた。FRBのパウエル議長は3日記者会見し、「われわれの行動は経済を支えると信じる」と指摘した上で「今後数カ月は事態を注視し、適切に行動する」と述べ、追加利下げに含みを持たせた。

 米経済見通しへの「リスクが大きく変わった」と利下げ理由を説明。「ウイルスや対応措置が米国内外の経済活動を一定期間、圧迫する」と語り、旅行業界やサプライチェーン(部品の調達・供給網)に悪影響が続くとの見方を示した。