Thursday, March 05, 2020 9:40 AM

セブン、米巨額買収断念 「2兆円」価格折り合わず

 セブン&アイ・ホールディングスが、検討していた石油精製大手マラソン・ペトロリアム傘下のコンビニ運営会社スピードウェイの買収を断念したことが5日、分かった。2兆円規模とされる買収価格で折り合えなかった。人口減少で国内市場の成長は見込めず、海外に活路を求める考えだったが、戦略の練り直しを求められる。

 同日開いた取締役会で交渉の打ち切りを決めた。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界経済の先行きが不透明になっていることも影響したとみられる。買収額は最大で約220億ドル(約2兆3500億円)になる想定で、市場関係者からも割高との指摘が出ており、買収検討が表面化してからセブン&アイの株価は低迷していた。

 セブン&アイ子会社のセブン-イレブンは2019年11月時点で約9000店を米国で展開しており、約4000店を運営するスピードウェイが加われば大幅な店舗拡大につながるはずだった。ただ、スピードウェイのコンビニは米国で一般的なガソリンスタンド併設型で、環境規制が進んでガソリン需要が減れば集客に悪影響が出る恐れもあった。こうした背景から買収に二の足を踏んだもようだ。(共同)