Thursday, March 05, 2020 9:40 AM

習主席の4月来日延期 日中、新型肺炎対応優先

 日中両政府は5日、4月に予定していた習近平・中国国家主席の国賓来日の延期を発表した。新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の影響が広がる中、当面は終息に向けた国内対応を優先すべきだと判断した。両国関係を規定する「第5の政治文書」作成など来日準備の停滞で、成果が見込めない状況となっていた。東京五輪・パラリンピック後の秋以降で再調整する方針だ。

 実現すれば、2008年5月の胡錦濤氏以来、約12年ぶりの中国国家主席の国賓来日だった。感染の拡大を受け、来日先送りもやむを得ないとの見方が強まっていた。日本国内の保守層から国賓として処遇することへの反対論も出ていた。

 菅義偉官房長官は記者会見で延期理由について、「両国が双方の最大の課題である感染症の拡大防止を最優先とする必要があると一致した」と説明。新たな来日日程は「双方の都合の良い時期に行うことになった」と述べ、外交当局間で調整する考えを示した。日本外務省幹部は「両国の政治、外交日程を考えると五輪以降となる」との見通しを明らかにした。(共同)