Wednesday, March 11, 2020 10:17 AM

米長期金利、最低更新 景気懸念、0%現実味

 【ニューヨーク共同】新型コロナウイルス感染症の拡大による景気後退への懸念が金融市場に広がり、安全資産とされる米国債に買いが殺到し、国債価格が上昇(利回りは低下)。米長期金利の指標となる10年債利回りは過去最低を更新し、0%も現実味が出てきた。

 10年債利回りは2月中旬まで1.60%前後だったが「コロナショック」をきっかけに急低下した。3月9日には一時、これまでで最低の0.318%をつけた。世界の株式市場でパニック的な売りが広がり、行き場を失った投資マネーが相対的に利回りが高かった米債券市場に一斉に流れ込んだ。

 流れに拍車を掛けたのが米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長だ。「利下げは感染拡大を抑えられるわけでもなく、寸断されたサプライチェーン(部品の調達・供給網)を修復できるわけでもない」。3日の緊急利下げ後の発言がかえって景気後退への不安をかきたてる形となった。