Thursday, March 12, 2020 10:33 AM

東京五輪の聖火採火 新型コロナで異例の無観客

 【オリンピア(ギリシャ)共同=井上将志】東京五輪の採火式が12日、古代五輪の舞台だったギリシャ西部のオリンピア遺跡で行われた。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染拡大を「パンデミック(世界的大流行)」と表明したことで五輪開催への懸念が一気に高まる中、ギリシャ国内の聖火リレーがスタートした。聖火は20日に空路で宮城県に到着し、26日の福島県出発から7月24日の開幕まで121日間で47都道府県を回る。

 式典は感染防止のため異例の無観客で実施し、みこ役の女優が太陽光から採火した。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、あいさつで東日本大震災に触れ「五輪は日本国民、特に9年前に震災に遭った地域にとって再び希望と自信の象徴になる」と述べ、日本語で「オリンピックの精神を東京で一緒に祝いましょう」と呼び掛けた。

 日本人最初の聖火ランナーとして2004年アテネ五輪女子マラソン金メダルの野口みずきさんが第2走者を務め、桜をイメージしたトーチを掲げて走った。第1走者には射撃の16年リオデジャネイロ五輪覇者で地元ギリシャのアナ・コラカキ選手が史上初めて女性で起用された。