Monday, March 16, 2020 9:49 AM

九電川内原発1号機が停止 テロ対策遅れで全国初

 九州電力は16日、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を停止させた。テロ対策で設置が義務付けられた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が期限の17日に間に合わないためで、特重施設の完成遅れによる原発停止は全国で初めて。九電は主に火力発電を活用して電力不足を補い、電力供給には支障が出ない見通し。

 停止作業を16日午前2時半ごろに始め、午後1時ごろに止まった。特重施設の整備とともに定期検査も実施して9カ月余り停止し、12月26日の発電再開を目指す。他の原発でも特重施設の工事が遅れており、年内に川内2号機が5月20日、関西電力高浜原発3号機(福井県高浜町)は8月2日、高浜4号機も10月7日にそれぞれ停止予定。

 停止が相次ぐのは、原発本体の工事計画認可後5年以内としている特重施設の設置期限を電力会社が守れないため。不足電力を代替する火力発電の燃料費がかさみ、九電や関電の2021年3月期連結決算の業績に冷や水を浴びせる。(共同)