Tuesday, March 17, 2020 10:26 AM

WHOトップ検査徹底要求 専門家に慎重論、火消しも

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は16日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、感染者の特定が鍵を握るとして、対象を拡大して徹底的にウイルス検査を行うよう各国に求めた。「検査、検査、検査。疑わしい例は全て検査するのだ」と述べた。

 だが検査範囲の無条件な拡大は医療機関のパンクを招きかねず、専門家の間では慎重論が根強い。発言直後、WHOは異例の早さで発言記録を公表し「感染者と接触した人が(発熱などの)症状を示した場合にのみ、検査を行うことをWHOは勧めています」と目立つ形で注釈を付した。テドロス氏の警告が混乱を招かぬよう、火消しに走ったとみられる。

 一方、WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は16日、各国が相次いで導入している入国制限措置について「包括的な感染拡大防止策の一つにすぎない」と述べ、乱用しないよう訴えた。