Friday, March 20, 2020 10:19 AM

三陸鉄道、全線運転再開 台風19号被害から5カ月

 昨年の台風19号で被害に遭い、一時全体の約7割で運転できなくなっていた三陸鉄道リアス線は20日、最後の不通区間だった陸中山田-釜石(28.9キロ)で運転を再開、約5カ月ぶりに全線が復旧した。岩手県沿岸部を走る163キロの鉄路が再びつながった。強風の影響でダイヤは初日から大幅に乱れ、不通だった区間では大半が運休した。

 陸中山田駅で式典が行われ、中村一郎社長が「復旧は全国からの支援のたまもの。今後も人と人、地域と地域をつなぐ鉄道であるよう取り組む」と宣言。全線再開を祝い旗を振る沿線住民らに見送られながら記念列車が同駅を出発、岩手船越駅まで走った。

 同県山田町の佐々木誠さん(69)は織笠駅で記念列車を出迎えるため、友人らと大漁旗や紅白の幕を駅全体に飾って準備。集まった人たちと再出発を祝った。「再開すると思ったら強風で止まってしまったが、動いてほっとした。鉄道が地元を走っていると安心感がある」と感慨深げだった。(共同)