Thursday, March 26, 2020 10:13 AM
高松塚古墳壁画の修復終了 13年間、カビほぼ除去
「飛鳥美人」として知られる奈良県明日香村の高松塚古墳壁画(国宝)について、文化庁は26日、修復が同日で終了したと発表した。1972年に発見され、考古学ブームをリードしたが、文化庁による管理体制の不備でカビが発生していたことが2004年に判明、石室を解体して07年からカビを除去していた。今後は保存や展示方法が課題となる。
文化庁は、修復がほぼ終わった昨年12月に撮影した壁画の写真も公開した。西壁女子群像は、修復前と比べると、赤い衣の女性の肩を中心として、4人の女性を覆う黒い汚れがほとんど見えなくなっていた。一方で、発見当時のぬれたような鮮やかさは薄れ、全体的に白っぽく乾いて見える。
文化庁の宇田川滋正古墳壁画対策調査官によると、修復ではオリジナルの絵画への影響を最低限に抑えるため、描線や顔料を加えたり、絵の下地にあたるしっくいの剥げ落ちた部分を補ったりはしていない。発見当時、石室内は100%近い湿度だったが、古墳から約1キロ離れた修復施設ではカビ発生を防ぐため湿度を55%に設定してある。(共同)
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