Wednesday, April 15, 2020 10:07 AM

米国つなぎ留めに尽力へ WHO、資金・知見両面で

 【ジュネーブ共同】トランプ大統領が資金拠出を停止する方針を示したことに対し、世界保健機関(WHO、本部・スイス西部ジュネーブ)は15日未明(日本時間同午前)時点で、公式な反応を示していない。だが新型コロナウイルス感染症への対応の最中に、資金面だけではなく科学的知見でも世界をリードする米国の協力を得られなくなる事態の回避は必須で、つなぎ留めに尽力するとみられる。

 トランプ大統領が4月に入りWHOへの批判を強めたことを受け、テドロスWHO事務局長は8日、表情に怒りをにじませながら「政治的な争いは脇に置いておいてほしい」と発言。WHOは加盟国に対し分け隔てなく情報を提供してきたと訴えた。

 テドロス氏はこの際、米国がブッシュ(子)政権時代にエイズウイルス(HIV)感染拡大防止で主導的役割を果たしてきたことにも言及。「米国がこれまで示してきてくれた、惜しみない支援に感謝したい」と、保健分野での米国の貢献を称賛した。WHOが最も懸念する発展途上国での感染拡大を防ぐためにも、最大の資金源米国の協力が得られなくなるような事態を避けたいとの思惑がにじんでいた。