Wednesday, April 15, 2020 10:07 AM

米、WHOへの拠出金停止 新型コロナで「中国寄り」

 【ワシントン共同=田中光也】トランプ大統領は14日、記者会見し、世界保健機関(WHO)が中国寄りの立場を取って新型コロナウイルスを巡る対応に失敗したと非難し、WHOへの資金拠出を一時停止するよう指示したと明らかにした。WHOに組織の見直しを要求する。米国が世界最大の感染地となり政権への不満が国内で高まる中、批判の矛先をそらす狙いがありそうだ。

 米国はWHOへの最大拠出国で、ロイター通信によると2019年の資金拠出は4億ドル(約430億円)以上。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)終息が見通せない中、各国への情報提供などで中心的役割を担うWHOの活動に制約となりかねず、国際社会の懸念が高まりそうだ。

 国連のグテレス事務総長は14日「今はWHOへの資金を削減する時ではない」とする声明を出し、拠出停止を見直すよう求めた。