Thursday, September 29, 2016 10:01 AM

学力テスト、下位層の成績底上げ 知識の活用、依然課題

 文部科学省は29日、小学6年と中学3年の全員を対象に、4月19日に実施した2016年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。知識の活用力や表現力に依然課題があると指摘。一方、公立校の都道府県別平均正答数を過去の結果と比べると、上位層と下位層の差が縮小したと分析し「学力の底上げは進んでいる」とした。テストは07年度に学年全員を対象として43年ぶりに復活し、10年目。集計ミスで公表が1カ月以上延びていた。

 文科省は、年度ごとの全国平均正答数を100と換算し、都道府県の上位層と下位層の平均正答数の差を比較。小学校国語のA問題では13年度に5ポイント以上あったが、16年度は4ポイント以下になるなど、各教科で差が縮小傾向にあるほか、下位層が全国平均に近づいているとした。担当者は「上位層の授業のやり方を、他の自治体が取り入れる動きが盛んになっているためでは」と説明している。

 都道府県別の平均正答率の上位は秋田や石川、福井などが占める固定化が継続。14年度に小学校の成績が上昇した沖縄は、小学校の国語と算数のA・B問題全てで全国平均を上回った。(共同)