Tuesday, April 21, 2020 10:19 AM

核ごみ容器が腐食の可能性 埋設処分後、米大学研究

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をガラスなどで固めて地下深くに埋める地層処分を巡り、金属製の容器内で腐食が加速的に発生し放射性物質が漏れ出す恐れがあるとの研究結果を、オハイオ州立大などのチームが英科学誌ネイチャーマテリアルズに発表した。

 地層処分は、廃棄物をガラスやセラミックスと混ぜ、ステンレスなどの容器に流し込んで固めた上で埋める方法が主流。日本で地層処分を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は「米国とは違い、国内では酸素が非常に少ない環境で処分するため、指摘された腐食の発生は考えにくい」としている。

 従来はガラスや容器などの素材ごとに腐食のしやすさを評価していたが、研究チームは素材同士の接触部で起きる反応に注目。長期間のうちに容器内に地下水が浸透した状況を模し、塩水の中でガラスやセラミックスとステンレスの間に起きる反応を30日間調べた。(共同)