Thursday, April 30, 2020 10:35 AM

観光業の人材、農家で活用 コロナで実習生来日できず

 新型コロナウイルスの影響で外国人技能実習生が来日できず農家の人手不足が深刻化する中、政府の緊急事態宣言を受けた休業などで仕事がなくなった観光業や飲食業の人材を活用する動きが広がっている。農協が観光業者と農家を仲介する例も。双方にメリットがあるが、仕事の性質の違いなどを心配する声もある。

 「人手がないと収穫量が減り、収入も少なくなってしまう」。北海道名寄市でスイートコーンなどを栽培する鷲田友貴さん(46)の農園では、中国人実習生2人が来日できていない。知人の紹介で、道内の観光施設で働いていたワーキングホリデー中の外国人男性を受け入れることが決まり「ひとまず安心した」と安堵の表情を見せた。

 JA道北なよろによると、同市では鷲田さんの農園を含め約50人の実習生が来日できなかった。農協では地元の飲食業などの日本人従業員らを探し、農家に紹介することを検討している。担当者は「地元で雇うことができれば、遠方から受け入れるよりも感染リスクが抑えられる」と語る。(共同)