Thursday, April 30, 2020 10:36 AM

国連、シリア感染拡大警告 「悲劇待っている」

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は29日、内戦下のシリアに関するオンラインの公開会合を開いた。国連人道問題調整室(OCHA)のローコック室長(事務次長)は、新型コロナウイルス感染症を巡り、検査能力は「非常に限定的」で、感染が拡大すれば「悲劇が待っている」と警告した。ローコック氏によると、同国の感染者は43人、うち死者は3人。

 感染確認は首都ダマスカスなど政府支配地域ばかりで、反体制派の最終拠点である北西部では未確認。ローコック氏は、検査機器など医療資機材の搬入を急いでいるが「依然として極めて不十分」で、食料品の価格は高騰し、妊産婦の栄養失調が前年比4倍の21%に達していると語った。

 別の安保理会合でペデルセン国連特使は、北西部の停戦が成立した3月上旬以降、多くの地域で大規模な戦闘は起きていないと説明。ただ28日に北西部アフリンで爆発による攻撃があったほか、一部で過激派組織「イスラム国」(IS)が再興しているとして懸念を示した。